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AdobeがMacromediaを買収

 びっくりです!マルチメディアコンテンツやWeb媒体の制作ツール最大手で、「Flash」「Director」「DreamWheaver」など多くの製作現場で使用されているツールや「ColdFusion」「Flash Communication Server」などサーバー製品などを提供しているMacromedia(マクロメディア)が、DTP制作ツールやフォント関連の大手Adobe(アドビ)に買収されると言うニュースが入りました[Adobe Press RoomITmedia]。Macromedia自体、決して小さい会社ではなく、最近ではAdobeよりも勢いのあるイメージがあっただけに、びっくりしました。
 歴史・規模はAdobeが1982年設立で総収入:12億9500万ドル(2003)、Macromediaは1992年設立で売上高:3億3690万ドル(2003)。Adobeが提供するツールは「Photoshop」「Illustrator」「InDesign」など紙媒体を中心(「Acrobat」は文書フォーマットの標準的存在ですがWebではコンテンツの一部としての利用に限られる)とした業界と「Premiere」のデジタルビデオを基本とした業界、Macromediaの先に挙げたツールはWebやCD-ROMコンテンツなどマルチメディアの業界、と現在では済み分けているような状態です。といっても、Adobeは「GoLive」(昔はPageMillというのがあったがCyberStudioを取り込むためGoLive Systems社を買収)「LiveMotion」(Flash作成ツール)というWeb制作ツールの売り上げは思うように上がらず完全にMacromediaの独断場、逆にベクター画像ツールであるMacromediaの「FreeHand」は日本において殆んど市場を持っていませんし、Webに最適化された「FireWorks」も、Adobeの「Photoshop」と「Illustrator」を使っている大多数のデジタルクリエーター達には魅力的ではなく、現在では「DreamWheaver」のおまけ的存在。意図していたわけではないが、微妙な住み分け状態となっておりました。
 Adobeは現在も大きく成長していますが、今後を考えると、現在提供しているツールのバージョンアップの分野では今後の大きな成長が見込めないこと、フォントのOpenType化による収入の激減、Macromediaの上記クリエーター向けアプリケーションや様々な業務用アプリケーションやサーバーアプリケーションによる市場制圧の脅威などがあったと思います。「住み分け」と先に表現しましたが、言い換えれば「市場に入り込めなかった」と言うわけで、この買収によりAdobeは「デジタルメディアクリエーション」の分野を完全に牛耳ることが出来るわけです。
 今回の買収は、The Wall Street Journal[ITmediaニュース掲載記事]では「AdobeとMacromedia合併で、MSの強敵誕生?」と表現されるほどのもので、その衝撃は大きいものです。ところで、Macromediaの名前はやっぱり消えちゃうんでしょうね。個人的に期待していた「Flash Paper」ってのも消えちゃうかな。残念。

2005/04/18 23:51