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フリーフォントがau携帯「PENCK」に使われている件で

 足立 裕司 氏作成のフリーのオンラインフォント「Major Kong」がauの携帯電話「PENCK」のテンキー上で他人の制作物として使用されているという情報がご本人の検証サイト[ミラーサイト]により公開、2ちゃんねるスラッシュドット等で取り上げられ、現在impress Watch Headlineではトップ記事として扱われております(記事はこちら)。2ちゃんねるでは祭り状態で多数のスレッドで盛り上がっており、ついに(?)トップ画像にも…。
 「W11k」「infobar」「talby」に続く"au design project"の一環として発売された「PENCK」は、その丸みを帯びたデザインと不可能と言われていたメッキ塗装の採用、デザインを主張したキートップと画面デザインでねこたまも大変興味を持っていた商品です。ITmediaモバイル「誰1人が欠けても作れなかった~『PENCK』完成までの道のり」の記事に感動した人は少なくないと思います。サイトウマコト氏デザインということで、各方面で取り上げられておりましたが、キートップで使用していたフリーのオンラインフォントをauの広報がサイトウマコト氏作成によるフォントとして扱っていた為に「盗用」とされ、問題となっておりました。現在はauから各メディアにお詫びの連絡をしており、経緯としては

デザイン担当者本人が「PENCK」のテンキーに適したフォントを探して「Major Kong」を使用し、auの担当者に『テンキーの数字は手書きフォントです』と説明したという。担当者はこのプレゼンを受け、デザイン担当者による手書きフォントであると誤解したという[窓の杜]
とのことで、意図的なものでは無かった模様。とはいえ、モリサワなどの業務利用目的の製品ではないフリーのフォントを、サイトウマコト氏自身のデザインしたものとして世に排出される製品に安易に使用してしまった事には問題が無くは無かったと思います。
 今回の謝罪にまで至った事は、作者が著名なwebデザイナーであったこと、そして氏のサイトによる検証や個人を含めたサイトによる盛り上がりという「Webというメディア」によるものが大きかったと思います。そして今回の件では、意外にもフォントの著作権が主張できない(独自性が強くないとタイプフェイスの法的保護が無い)という部分を公にしてくれました[参考:JTA 文化庁に「要望書」を提出]。最近は雑誌やムックなどで無断転載を許可していないフリーフォントやフリーソフトが転載されることが日常茶飯事となり、「無料の携帯待ち受け画面」と謳う雑誌の殆んどは著作権をクリアしていないものばかりという現状に、一石を投じて欲しいと思います。と言っても、普通は著作権の主張の為に個人で裁判を起こすのが難しいので、一般人VS企業の構図は難しいよね~。逆に、仕事で様々なデザインに関わる人から社内での書類に至るまで、様々な既存の素材を使う際には著作権を今一度尊重し、気をつけて使っていく必要があるかと思います。

2005/03/29 19:13