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「クィア・ジャパン・リターンズ」創刊に寄せて

 スタジオ・ポット/ポット出版のサイトに、「メイキング・オブ・QJr」という「クィア・ジャパン・リターンズ」創刊(「クィア・ジャパン」のリニューアル復刊)へのブログがあります。伏見憲明さんが企画を持ち込み、中心となって来年の春の刊行を目指し動いているそうです。個人的にはゲイを扱った雑誌が増えることはとても嬉しいことです。
 その中で、12月21日の記事のように

ネットで情報や出会いも得られるし、ジーメンやバディというエンターテイメントの媒体も定着しているのに、新たなゲイ雑誌なんて必要ない、と思いますか?
と伏見さん自身が書いているように、現実的には厳しい部分が少なくはないと、ねこたまも感じます。
 この記事をトラックバックしておきながら申し訳ありませんが、ねこたまは「クィア・ジャパン」を買ったことがありません。もちろん書店では見たことがありますが、冒頭の引用にあったように、以前はバディーなどの雑誌を購読しており、現在に於いてはネットがあるのでそのような雑誌の必要性が無い、と言う理由からです。ゲイ雑誌は買わない訳ではないですが、ジーメンやバディではゲイに関するニュースや様々な情報の他にポルノやマンガ、更にはDVDというキラーコンテンツがある中で、あえて「クィア・ジャパン」のような読み物のみのコンテンツを購入する理由はどこに…と感じてしまいます。あと、ねこたま的にはタイトルのイメージが強すぎる、というのもありますが…。
 そもそも「ゲイ雑誌」の需要は何処にあるのでしょう。ゲイ…とはいえ、性趣向以外では普通の人なのである。逆に言えば、性行為やポルノ等の情報が「ゲイ向け」となり、そのような「エロ」の部分には財布の紐が緩いのは、悲しいかな男性の性なので、ゲイの業界イコール「エロ」関連なのでしょう。とはいえ、それ以外の情報は必要無いわけではありません。恋愛やパートナーの問題、生活、病気、カミングアウトなど様々な問題があります。更に、音楽などエンターテインメントに関してはゲイ受けする特定のアーティストのことなど欲しい情報は少なくはありません。現在のゲイ雑誌においても扱ってはいますが、いかんせん情報量が少ない、故に偏る、エロコンテンツがメインの雑誌は敬遠する人もいる…など、問題はあります。それを補う、もしくは新しい切り口のゲイ雑誌を、ねこたまは期待します。
 ゲイの友達と雑誌の話題が挙がると、ゲイ雑誌が消えていく理由の一つとして、内容に対して値段が高い、というのが出ます。普通に雑誌と言うと、週刊少年ジャンプなどのマンガ雑誌やTokyoWalkerなどの情報誌が挙げられますが、共に300円前後の価格帯なのです。それに比べ、写真やコンテンツが少ないものが1,000円を超えるとなると強力なコンテンツが必要となると思います。多分、今回の「クィア・ジャパン・リターンズ」も、以前に近い価格帯になるかと思われ、2,000円近い技術書/雑誌のレベルの価格で行くかも知れません。ねこたま的には雑誌として「~批評」のカテゴリーになるかと思われますが、それでも一般的には広告批評の590円(税込)、ゲーム批評の780円(税込)という価格帯です。難しいですね…。
 また、友達の一人はゲイ雑誌というものに必要性は感じていないが「あるといいな」と思うのは、タワーレコード発行のフリー・マガジンbounceなど大手レコードショップで扱っているような無料の小雑誌の形態だそうです。そして、内容としてもゲイ特有の内容だけでなく、夏の花火大会や冬のスキーなどイベントや旅行情報、CDやDVDなどのエンターテインメント情報を、ゲイの視点から紹介するが相手をゲイに限定しないと言うものです。「ゲイであるワタシの視点から選んだ情報よ!」ってな感じで、おすぎとピーコ並みのゲイお得意の辛口トーク風やエスムラルダ氏のような知的で楽しいコメンテーターの内容なら今の時代ウケる要素だと思うしゲイに限らずみんな読みたいと感じるのではないかと思います。もちろんスポンサーが最大の問題で、無料の雑誌は東急のSALUSやリクルートのR25の例があるとはいえ、既に広告展開を多く進めている間柄で無いと同じようなことは難しいでしょうね。とはいえ、「エロ」が前面にある既存のゲイ雑誌とは異なり、健全なコンテンツであることをモットーにすれば一般的に受け入れられ、新しい切り口の雑誌として成長し一般大手企業を含めたスポンサーを集めることが可能となるのではないでしょうか。業界には詳しくないので、あくまで「希望」のレベルですが。
 今回の創刊に関してねこたま的に興味があるので、今回は購入を考えております。詳しくどんな内容かはこれからのお楽しみ…と言うところですね。

2004/12/24 02:21